実録!パンピーがアイドル活動を始めた話 Vol.1

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はじまりのはじまり

「てんぱすの新しい服かわいーですよね。気になっているんです」

チャーリーさんからそんな話をされたのは6月の中頃だったと思う。DJのイベントでの話だったかどうかは記憶があいまいだが、その衣装については既にboothで見て知っていた。

「あー、あのアイドル服ですか。確かにかわいいですよね~」

実際にかわいいとは思っていた。しかしフリフリのスカートにインカムやカラフルなネイルなど、あまりにもアイドル的な衣装だったので買うのを躊躇していたのだ。

「いまさらだと思うかもしれませんが、ああいった格好をするのはさすがに抵抗あるんですよね。もし他の人もやるんなら、考えなくもないですが・・」

私のそんな言い訳めいた言葉を見透かしたように、チャーリーさんからカウンターが返ってくる。

「ホントいまさらwww」

そう、確かにいまさらなのだ。というのも、ほんの少し前にイベントで同じくらいフリフリのスカートをはいてメイドをしたばかりだ。オムレツにケチャップで絵を描いたり「萌え萌えキュン」とかいいながらハートを飛ばしたあの日の事が脳裏に蘇った。最初は「いやいや無理!!ww」とか言っていたが、チャーリーさんの押しの強さに結局断り切れず参加を承諾。どうせやるならときっちりメイド服や店舗も自分で用意したし、抵抗の有ったボイチェンも用意してその日を迎えた(結局遅延が酷くて最終的には地声でやっていたが・・)最初はもちろん自分のしている事に戸惑いはあったものの、結果として楽しみながらイベントを終える事が出来た。

キッチリ用意して参加したメイドイベント

DJデビューの時もDJ機材を持っているのをチャーリーさんに話したら、半ば強引にDJとしてイベントへの参加が決定してしまった。正直それまでリアルでクラブなんて言ったこと無かったし、買ったはいいものの機材を放置状態だったので不安しかなかったが、やってみるとなんだかんだで楽しかったし、新たな人や音楽との出会いもあった。

全く未経験だったのにDJプレーヤーとして2度もイベントに参加した。

そんな経験をしていたので、アイドルの格好するのもなんだかんだで楽しい事になりそうな気もしない事はなかった。

「にしても変われば変わるな・・」

少し自嘲気味に最近の自分を振り返る。1年前なら「てんぱすの新しい服」なんて言われてもちんぷんかんぷんだっただろう。あの頃はまだアバター自体にそこまで興味は無かったし、無料で使えるネオロイドをメインでずっと使っていた。(まぁ、ファッション自体には興味はあったし、やり始めたら歯止めが効かなくなるかもしれないなと思っていたので敢えて抑えていた一面もあったのだが・・)それが、Vketで見かけたアバターに一目ぼれしてお迎えした後は沼にどっぷり状態だ。

「ま、面白そうだしやるだけやってみるかね」

そう思いなおし、チャーリーさんにカーブ気味なDMを送った。

「てんぱすのあのフリフリが気になり始めたじゃないですか!でもあれを一人はツラい・・」

返事は数分と掛からずに返ってきた。

「アイドルですか?お誘いですか?アイドルなりますか?w」

明らかにこちらが「振り」を投げている事を理解した上で「引っかかったな!」と、にやにやしながら返しているのが字面でわかった。DJの時もメイドの時もきっとそうだったんだろうなと思いながらも、敢えてそこは語らず予定通りに事を進める。

「前にも話していたし、他の人も巻き込みましょう!」

こうしてneosでの一般ユーザーのアイドル化計画がスタートしたのである。

まず最初に誘ったのはどーまさん。7/1には合流し、朝のラジオ体操仲間であるkontoさんやしずくさんにも声を掛け、7/4日にはメンバー5人が決定、活動をすることとなった。
実際、普通にアイドルになりませんか?と誘われてOKするかどうかは微妙だろう。それぞれのリアルでの生活もあるし、家族というものもある。しかしそれでも誘ったメンバーがOKしてくれたのは、面白そうだったらやってみようという人が多いneosならでは、という事だったのだろう。

ひとまず、それぞれ衣装の用意をし、後日合わせて撮影する事だけは決定した。その時は本当に集まってアイドル風の撮影を楽しもう。それだけの気持ちしかなかったのだ。

neos民の本当の凄さをこのあと知る事になるとは、この時誰も想像すらしていなかった。

つづく

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アイドル活動を決定づけた、てんぱすおおもり様の「♡ Dear My Dream ♡」へのリンク
https://tempasta.booth.pm/items/4878054

     
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