ヨモツヘグイ – 第一章 特集 若い男は雪山を彷徨う。生気もなく、あてもなく。 冷たく鋭利な吹雪が絶え間なく吹き付け、顔面や手の甲を責め苛む。糒(ほしいい)もなく、合羽もなく、唯一持ち合わせた命は風前の灯火。 半死半生の男には、色の識別ができない。吹雪の...